IWASHITA STORY

〜　昭和、平成、令和を貫く、ものづくりの技と想い　〜

ものづくりの技を活かした工作機械を。

当社は、織物関連機器の部品加工業として、昭和24年に創業しました。初代 岩下為吉は、大阪で夜間工業高校に通いながら鉄工所に勤めた経歴を持ち、終戦後、福井に戻ると鉄工所に勤めた後、独立したといいます。その頃、福井は繊維王国として栄えていましたが、為吉はこのままずっと織物関連の下請けを続けるのではなく、ものづくりの技を活かした仕事をしたいと考え、他分野への展開を模索。義手義足の部品製造など試行錯誤を重ねるなかで、躍進する工作機械の市場に注目します。為吉はアメリカから工作機械を入手すると、自ら解体し、数名の従業員とともに見よう見まねでつくりあげながら技術と知識を習得。昭和35年、フライス盤の工作機械製造をスタートします。時代は、まさに高度成長期の始まり。当社は、東京エリアに強い専門商社を通して、小型フライス盤の工作機械を全国に販売。月の生産台数が100台を越えるなど、時代の流れにのり業績は大きく伸びていきました。

ニーズに応えるオーダーメイド加工機へ。

昭和63年、為吉の息子 岩下春幸が社長に就任。しかし、平成に入りバブルが崩壊すると、好調だった業績は一変します。当時、工作機械業界は、手入力のフライス盤から、コンピュータの数値制御によるNC工作機械や自動工具交換で複雑な加工を連続で行うマシニングセンタが台頭していました。そこにバブル崩壊による景気後退が重なり、フライス盤を主に扱っていた当社の売上は激減したのです。春幸はフライス盤で培った技術をもとに、顧客のニーズに応えるオーダーメイドマシンの製造を模索します。大きな転機となったのは、平成6年に富山のサッシ製造会社から依頼された長尺アルミの加工機でした。マシニングセンタがまだアルミ素材にうまく対応できずにいたなか、当社は独自の技術で長尺アルミの切削加工を行うNC加工機をカスタマイズ。その後、展示会などで認知度の向上を図り、平成8年には顧客と共にゼロからつくりあげた完全オーダーメイドの加工機を完成させました。

培った技術と実績で、新しい分野へ進出。

顧客のニーズにきめ細かくフィットする当社のオーダーメイド機は、切削加工の品質向上をはじめ、作業の効率化による生産性向上、コスト削減をも可能にしました。さらに、営業、開発、外注加工を除いた機械組立から配電盤組立、電機配線、機械・電機・システム設計、動作確認、納品後のアフターサービスまでの自社一貫体制を確立し、スピーディなバックアップを実現。社内に輸出管理室を設け、輸出書類の整備なども行うようになります。そうして信頼関係を積み重ねることで、納品後のリピート率は50％超えを達成。平成28年には、春幸の息子 岩下大介が3代目社長に就任します。時代は令和に移り、新たに日立パワーソリューションズとのコラボレーションで自動車分野向け加工機の製造を進めるなど、長年の実績と幅広い加工・制御のノウハウを活かし多彩な分野へ進出。今後も顧客満足度を高めながら、豊富なラインナップを取り揃え、新しい挑戦を続けていきます。